KTー88 PPアンプ 

 
 
 
  UL・3極の切替が可能で コンセプトは長定時間安定です

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  特徴:
@TRアンプから流用したパワートランスを使い出力管に440V供給する
A6L6や6CA7への差換えが簡単(15分)に出来る
B初段は12AX7/T7/U7/12BH7Aに差換え可能

 
 

  [ 設計構想 ]

◆ 回路図

  電源:
ヤマハCA2000(B級100WX2 /A級20WX2)パワートランスを流用しました、ファイナル用巻線(44−21−0−21−44V)の88Vを4倍整流しています(目方から予測するとこのトランスは300ワットは取れそうなので話半分として150W、440Vで割れば80mA/1本は取れそうです、実際に運用させたところトランスは”暖かくなる”程度です。

←右上がパワートランスです


このトランスにはCA2000ドライバー用として56−37−0−37−56V巻線もあります、巻線抵抗から判断すると600mA以上は取れそうです、∴今回の前段管のヒータはこの巻線を使います、更にC電源用としても使います。

←左下がC電源リップルフィルタ、中央ラグ板が
C電圧調整トリマー4個です


入力段:
カソード抵抗はバイアスとNFB受けの両立性が有ると思われる750オームを一本のみ入れました、これで12AX7/T7/U7/12BH7Aに対応させます、結果としてプレート電圧は12AX7で130V、12BH7Aの場合43Vです(回路図下部の表参照)。それと運用に際しては12V300mA球3本(12BH7A)を使用するか 又は12V150mA球3本(初段・・12AX7 or 12AT7 or 12AU7、位相反転段・・12AU7)にするか球在庫に応じて選択できます。小生は12BH7Aの音が好みと感じました。

 
位相反転:
カソード結合を採用した理由は・・・小生は各位相反転回路ノメージとして、後段信号を再利用する古典回路や差動回路は”排出汚物(デバイス発振・ノイズ等)を再度呑み込むので嫌でした、古典回路は自身のゲロなので許容するとしても差動回路は他人の汚物です、PK分割回路は1人が自身の手と足で交互にサンドバックをけるイメージでそれぞれのサンドバックをチューンイングしないと良く振れません、カソード結合はザピーナツが腰を密着させて互いに相手の動きを見つつ腕を動かしているイメージです。

実回路の説明・・・初段と位相反転段はCカップリングしていますので位相反転段グリッドはグランドレベルです 一方共通カソードはー70Vでプルダウンしています、途中にTRが有りますが、これは仮定として直結回路にしたとき前段の30〜200Vを無事受ける為の布石回路です。

出力段:
@カソード電流計測用の抵抗を各カソードに入ています
A3結/ULの選択はMT7ピンの雄ソケットにジャンパーを入れて切替えます
B組立て後に交換する可能性がある線は端子盤を中継します(出力トランスの全線、ACトランス1次)

←端子盤周りの状況です、上に安心料の
パワートランス2次側のFUSEが見えます


    

  [ 使用部品 ] 

真空管:
KT−88・・SOVTEC、12BH7A・・テレビからの国産球です。


出力トランス:
ノグチトランスPMF−25Pを採用しました。本機は未だULでフルパワーを出した事が有りません(出力トランス過大入力の事故恐怖で)。3結運用で低域の波形みだれ無しの出力電力(変換電力)は15HZ/8オーム負荷で10Wです、45HZ以上は1KHZと同様に最大出力20Wが取出せます。


電源倍電圧整流の電コン:
ハイリップル仕様ではないので安心料としてパワートランス2次側にFUSEを入れました、ときたま当チューブラコンの触診を実施してます(結果は人肌温度です、パワートランスに触ったりチューブラコンに触ったり、このセットは緊張します)


シャーシ:
自分で穴を明け、若草色に塗装しました(前面がペイント焼付けに失敗しブツブツ面となってしまいました、それに比べ裏面は非常な美顔です)



配線材:
多用しているビニール線は地元カインズホームからの調達品です、店の商品ラベルに300Vと書いて有りました、絶縁被覆は厚めなので実力は高いと判断し440Vでも使用中です。


 

  [ 製 作 ]


ペンチ・プライヤ・棒ヤスリ類は当然有りますが、加工道具はハンドの電ドル、金挟み1丁、シャーシリーマ1本しか有りません。自分で行うシャーシ加工はつらい(いいえ本当はこの加工が楽しいで〜す!どんな風に作り かつ仕上げるかを頭に描く喜びが有ります!家族からは目が生き生きしている言われます)ので穴数は最小にしました、多足ラグ板を多用したのでそれの支持穴だけの増加で済みました。アース配線材としてはペーパファスナの金具をラグバーとし、アース必要な場合はそのバーにバシバシ落とせる様にしました。

←ブロックコンの上に見えるのがアースのラグバーです、
計10個設置しました

 

  [ 性能評価 ]

(a)F特、1W/8オーム負荷

(b)最大出力

KT−88
 3結 ・・・20.2W/負荷8オーム

 UL ・・・未計測


 

  

  [ 聴感評価 ]

(a)音質 /3結出力管比較
  ・SOVTEK  ・・・KT−88 低音がふくらむ(いい音だなと思うBGMのよう)

  ・テレフンケン・・・EL−34 OK、並の上(まだこの球の良さが引き出せていない)

  ・松下     ・・・6CA7  絶品音(水割り飲んでほっとしてゆったりした感じ)


 
 
    
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