頭抜人ラッキンhp !!!


***     6B4Gスケード差動アンプ  
     
     JYOBANハワイアン ウォータースライダーのイメージ


はじめに

最近手当たり次第に手持ちのアンプを差動に改造中です、今回は以前作った6B4Gアンプのドライバ段を面白い回路に改造したので公表します。

回路図に注目して下さい、12AU7グリッド線分が2階からクロスしながら下る様子はさながら遊園地の"ウォータースライダ-"を連想し、当方は信号になりアンプの中を走り回った気分になりました。

回路図  注:カッコは(左側電圧/右側電圧) を示します。

ドライバ段:

12AU7をカスケードの差動にした上で上側ユニットのグリッドを他相と交差させます、この結果2大メリットが生れます、一つ目はゲインが増加する事、二つ目は同相キャンセルが2回行なわれ歪みが低下する事です。

つまり仮定として下側ユニット2箇所のプレートに+相成分が同時に出た場合、上側のグリッドとカソード共に+相と成り増幅されません、これが同相キャンセルに結びつきます、又、ゲイン増加についてはそれぞれのプレートに異相成分が出たと仮定すれば納得の一助になると思われます。

(1)約300V強供給するので12AU7の2段と負荷抵抗にそれぞれ100〜120V配分しシリーズに4mA流します、その場合のバイアスは3〜4VとRCAデータから予想しました

(2)定電流素子のFET品種は何でも良いですがIdss=8mA位のものが必要であり今回は2SK170BLを使用しました。

(3)
2SK170のId-Vdsグラフを見るとVgs=0Vの場合、ドレイン電流8mAを流すためのVdsは限りなく0Vで良い事を示しています、従って2SK170を12AU7共通カソードから直接グラウンドに落としてもバイアス電圧のみで定電流素子として機能すると判断しました。実際にはバイアス発生が2.4/2.8Vですが全く支障有りません。

(4)バランスは12AU7を差換える事で行います、12AU7上ユニットのカソード電位を正相と逆相で比較し0.85以上なら合格とします。

(5)
12AU7ヒータ・カソード耐圧は200Vなので、上ユニットのカソードが155V以下(200-最大信号値)にする前提でヒータバイアスは不要と判断し掛けませんでした。

(6)
調整時に、下側のプレートが100Vになるよう上側を少しカットオフさせました、具体的にはカソード抵抗を1.3Kオームに交換しました、それでも上・下通して4mA流します、左記作業の歯止めは負荷抵抗33Kの電圧降下が90〜140Vになれば良い事にしそれ以上カソード電圧に拘らない事にしました。

出力段:

(1)バイアスはセミセルフですがフィラメント整流回路が1組ですむ様、左右チャンネルの4本を合体し片側を交流接地しました、詳細は以下です。


使用部品

真空管:

6B4G・・GE、 12AU7・・松下とLUX印、 5AR4・・スパーク中国球 を使用しました。

出力トランス:

春日(無)変圧器OUT-6635Pを使用しました。低域の変換力は8オーム負荷にて15Hzで1W、40Hzで6.5W位です。

電源トランス:

ノグチトランスのPMC-170を使用しました、容量不足ぎみなので少しでも負担を減らすため5AR4ヒータ分は別トランスから供給しました。

シャーシ:

自分で加工したA4サイズのシャーシを使用します、MT管の予備穴を空けていたのが役立ちます
 ↓4本の12AU7と4本の6B4G。 →↓リアビュー
 

冷却フィン:

電源トランスの発熱に加え整流管ヒータ(10W)、6B4Gフィラメント(25W)、フィラメント整流ダイオード(6W)の熱が加わりシャーシがそうとう熱くなります、そこでシャーシ外側にCPUの放熱フィンを付け冷まします。



















製 作・調 整 

(1)12AU7カソード抵抗を1.3Kオームに交換しました、理由はドライバ(6)の通りです。
(2)15P2列の平ラグ板に部品を組付けました、作業効率と交換性は非常に良いです。









平ラグ板、右下が入力端子としているフォーンジャックです








←セミセルフのバイアス抵抗は端子板にネジ止めします


性能評価

F特: 最大出力 14.1W(入力12.0Vpp/1W時/RL8オーム)、 14W出力正弦波が崩れ始まるが、それ以上になってもクリップせず出力し続けます。


矩形波応答: 

矩形波はオーバシュートもなまりも見えません、特に10Kh矩形はきれいです。左から100Hz/  1KHz/ 10KHz です。
  

聴感評価

30センチウーハ、5センチツィタ−を70センチ机下に入る事務キャビサイズのBOXに入れた場合・・・高音が滑らかにきれいに出ます、「お〜お、いいじゃ↓ん」!!生活密着型の音です。一般室内や廊下で朝のバロックを聞くのに向いています。

ドライバ段ゲインが13倍と低いのは予想外でした、でも音がマイルドでパワーもあるので一応完成とし作業終了します。後日12AU7を12AZ7に交換してゲイン変化を調査します。

考察・・・6F6・6V6・6L6類は3結にしても高音がでない気がします、が同じGT管でも6B4Gは出るので、何を言いたいかというと今までの6F6・6V6・6L6アンプを専門3極管に変更したいがです、手持ちは6B4Gですがヒータ処理がネックです、そこでピンコンパチの6GA4を探しています! この世では結ばれない人を探す様に・・。


製作した機材を聞き込んで経験として感じた事は以下です。
(1)Rpが1K以下の管のPPなら超三も出力差動も不要。
(2)超三は、PPなら不要 シングルなら有効、でも5極管なら更にNF14db以上必要。
(3)出力差動は3極出力管なら有効、5極管では期待ハズレ


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