頭抜人ラッキンhp !!!


     2SC5242/A1962差動 トランジスタ パワーアンプ 改造型  
     
      ロハスなベーシック回路


 

   当HPで公表した2SA1803カスケード差動の最大出力が小さいので改造しました、今回はその報告です。


回路図


回路説明

初段とドライバー:
出力部の電源が+48Vなので48Vpp以上の信号が送り込めるようにとドライバー電源は+75Vとしました、これには25Vの別トランスを用意し3倍圧整流して賄いました。その結果ドライバー部では最大出力50Vpp 無歪44Vppが取出せました。

全体回路はACカップリングです、NFBはDC的にはドライバ段から戻すのとAC的に出力段からも初段反転相に戻す二重ループとしました。

前回のクロスSRPPの音も良いですが、今回はTR差動の二丁掛けで設計しました、理由は
(1)同相キャンセル機能はクロスSRPP同等と思われる。
(2)初段で耐圧80V以上のFETが入手困難でTRとせざるを得ない、そうすると差動電流が小さ過ぎてCRDが使えず専用定電流回路を組むか、又は特性劣化承知で抵抗を使うしかない、今回は初段も次段も定電流素子は抵抗で済まし、差動2丁の連携で同相キャンセルに期待し美しい波形となるよう目指す。

動作電流は回路図の〔〕に記載した値で初段0.39mA、ドライバー2.2mAです、ドライバーのコレクタ電位は静止状態で正相42V、反転相は28Vになりました。
アンバランスなのでQ1Q2のエミッタに3.3KVRを跨らせバランスさせようとしましたがたいして変化しませんでした、両チャンネルで似た傾向なのでこんなものでしょう。

本心は・・サラリと”TR差動”と言ってますが ”TR差動、特に二丁掛け”は後から難しいと思い知りました、今後は発振防止を考えると採用したく有りません。








←25Vの別トランスと3倍圧整流部






出力段:
発振防止コンデンサーはQ1,Q4,Q7,Q8のベース周りに入れてました、それでも終段TRエミッタ抵抗それぞれの両端に2MHz50mVppノイズが見えます、でもSP端子では中点相殺されノイズは皆無です。

終段エミッタ抵抗は入れたく無かったです。
実は発振対策をカットアンドトライで始めたのですが途中で嫌になりました、それで初心に戻り予防ポイントにあらかじめCとRを多めに組込み最終的に発振は無くなりました、でも体内に不要部品が有ると思うと不満が残ります。

課題は終段TRエミッタの0.47オームのロスが大きい事、終段TRベースに44Vpp注入されてもSP端子では26Vpp(8オーム負荷)です。

←15ピン2列ラグ板に片チャンを組みました。 


[ 使用部品 ]

TR 

・初段、ドライバーは耐圧120V以上を選定しました、2SC3200は韓国電子設計品です、2SB649はパワトラですが在庫の関係から差動小電流回路にもかかわらず使用しました。

・熱センサの2SC1345はヒートシンカに密着し易い将棋の駒形です、その形にこだわりジャンク基板から外しました。

電解コン

←GM-620オリジナルの電解コンも使用しますが有り合わせのコンデンサをバンバン半田付けして電源平滑コンデンサは合計1万9千マイクロに、出力直流カットコンデンサも1万4千マイクロに増量しました。

シャーシ

←写真のパワーショート回路(出力コンデンサから出るボコッ音を消す)やメカ・大物部品はオリジナルを流用しました。

ヒートシンカを3センチ間隔に立てて内側両面にパワーTRを留め足を真空管ソケットに挿入します、調整のTR切り離しは簡単でした。

真空管ソケットの使用状況、ルーズコンタクトも無く信頼性良好です。
 

[ 製 作 ] 

←従来のGM-620にはVRが無く不便でした、今回リア面のグランドタ−ミナルを撤去し音量VRの設置しました。

←全体ビュー。


[ 調 整 ]

(1)VRを歪が出ない範囲で回し0.47オーム両端で25mVにしました、これはアイドリング50mAです。

[ 性能評価 ]
F特: 1W/RL8オーム    
 

最大出力: 

10.6W/負荷8オーム、IN:1.15Vpp

矩形波応答: 

100Hz/  1KHz・・・きれい。
10KHz ・・・少しなまる(微分CAP120Pに変更するとなまりは減少するがハイ上がるになる、それで220Pとした)


[ 聴感評価 ]

30センチウーハ、5センチツィタ−を70センチ机下に入る事務キャビサイズのBOXに入れた場合・・・スーパーモンキーズのアムロを聞きました、改造前より超低音が腰高に聞こえるのは少し残念です、それとボリュームを鑑賞中に上げる様になりました・・・これは脳が音を拒否し小さく聞こうとしたのかも知れません、経験上良いアンプで聞くと・・・頭の中に音が溶け込み大反響する様に感じます そして途中からボリュームを絞るのが常なのです。
以上から当機は今後NF量調整とカップリングコンの交換を行う予定です。

********以下備忘録*************************
(1)出力バイアス制御は後ろに・・・リニア的に制御する
(2)ドラバーは高電圧供給・・・スルスイングする
(3)ACカップルの結果をDC的にフィードバックしない・・・ワウ防止
(4)差動の二丁掛けは禁止・・・発振、F特対策を回避
(5)TR差動で入力INP50K以上は非推奨・・・発振対策
(6)入・出力TRのベース抵抗は必要


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