* | 6L6−PP差動出力メインアンプ | |||
レアな21世紀対応の回路![]() ![]() |
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■はじめに: 6CA7シングル、300Bシングル(当HP参照)が調子良いのでこれらに入っている”アント・アンダーマイン/ANT−UNDERMINE回路”をプッシュプルにも適用しました。 ■アント・アンダーマイン回路の特徴: ・メリット・・・5極管のゲイン/低ミュー3極管の低歪み/FETと真空管の補完による少部品構成。 ・デメリット・・・”深いバイアス”管が必要(種類が少ない)。 出力ドライバー管が12AX7では”ゲイン・歪”とも不満でした、そこで低ミュー管を使って歪み問題を解決しゲイン不足はFETで補うカスケード回路を発想しました。伝送ロスが最小のこの回路は信号グランドを挟みFET部が土の下の蟻の巣の様なのでアント・アンダーマイン回路と名付けました、この回路1段で3極出力管を充分にドライブ出来ました。 ■当アンプの特徴: ・充分なゲインが得られるアント・アンダーマイン回路とPK位相反転回路と組合わせた。 ・出力段での差動素子に三端子レギュレータを採用した。 ・A電源とB電源のトランスを分離した。 ・B電源を昇圧する際にインターステージ方式(一旦24V)を採用した。 |
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回路図![]() [ 設計構想 ]
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[ 使用部品 ] ■真空管,FET: 2SK170BU・・Rs=300オームでId=1mA近辺のものを選別しました。 6AR5・・大昔のNEC製です、尚、コネクタ7ピン目をオープンにすれば6AQ5も共通で使用可能です。 6HZ7・・テレビの日立製です、代用に6CB6,6AU6,6BA6なんでもOKです。 6L6GB・・SOVTEK製ここだけの話、通電10分すると口金のセメント剤が臭ってきます。 ■出力トランス: 春日変圧器のOUT-6635Pを採用しました。当HPの6B4Gでも使用しましたがピークもディップも無い素直な性質のトランスです、使い方次第で低音も出ます。 ■ヒータトランスとインターパワートランス: 東栄の6.3V3AX2と24V3Aです。 ![]() ■+B用パワートランス: 欧州輸出用のTRアンプの電源トランス(240V→24V75W)を流用しました。 ■入力端子: フォーンジャックを使います これだとシャーシ加工は丸穴1個で済むという理由で当方のアンプの標準仕様になっています。 ![]() |
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[ 製 作 ] ■シャーシ: 自分で穴を明けました、電コンは中に入れました、門扉用金具をキャリング取っ手に流用しました それと塗装は藍色です。 ![]() [ 調 整 ] ■6L6のIp: (1)全てバイアスが最大マイナスに成るようにトリマを廻します、その後通電します。 (2)左のV6、右のV6の第1グリッドが-13.5Vに成るようにトリマを強制調整します。 (3)左のV5とV6、右のV5とV6、それぞれのカソード電位差が0に成るように左のV5、右のV5のバイアスのトリマを調整します。 (4)もしV5とV6の共通カソード電圧が9V+-0.5以外なら・・・(2)項に戻り、左のV6、右のV6の第1グリッドを-13.5以外にセットし直し、(3)(4)を繰り返します。 [ 性能評価 ] ■F特:1W/RL8オーム/3結 ![]() ■最大出力: 3.5W (負荷8オーム/3結)。 ■矩形波答性:(画像省略) 100Hz、1KHz、10KHzの3ポイントでリンギングは出ていません、10KHzは極わずかに鈍ってました。 [ 聴感評価 ] ・5結から3結にすると低音・ベース音の輪郭が明確となる。 ・3結時、裕次郎さんの”夜霧よ今夜も有難う”は極低音が湧き出るように聞こえました。 |
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